対象と画角
2013年 11月 27日
広角レンズの定番の画角といえば28mm。
いわゆる35mmフィルムのフォーマットでいうところの28mmで、水平方向に約65°の画角をもつ。
デジイチのキットレンズには、広角側の単焦点が28mmとなっているものが多く、この画角は何か特別な意味を持っているのだろうか。
単焦点レンズを付けたコンデジもしくはそれに準じるデジカメにも28mmを採用しているものがあり、それはそれで一向に構わないのだけれど、実はこの28mmという画角が昔から好きになれない。
広すぎる。
以前どこかで最も扱いやすい画角は人の年齢に近い画角というような記事を読んだことがある。
年を重ねると徐々に画角が小さくなっていくわけだが、つまり焦点距離は長くなってく。
個人的には50mmを多用していて、ほとんど事足りているのだが、広角が欲しいと思ったことは、まずないと言ってもいいほど。
強いて言うなら35mmまで。
28mmを覗いても、ファインダーの中で目が泳いでしまって、何にも見えなくなってしまう。
関心を持って物事を捉えられる視覚的な要素を画角に換算すれば、おそらく、年齢とともに、それが狭くなっていくというような仮説は立てられるかもしれないけれど、年齢と画角説の検証をするつもりはない。
おそらく、というか絶対的に、50mmと28mmでは捉えられるものの特性が全く違うのだろうと思う。
ある写真家先生がこんなことを書かれていた。
(勝手に引用)
『同じものを撮っても、フレーム内で写真を抽象化できる人とそうでない人では、撮る写真がまったく違う。正確に調べたわけではないのであくまで仮説だが、写真で活躍している人の多くは、おそらくその抽象化を無意識にできる人なのではないか。』
『花を写して花を写さず』
とも。
この先生のイチオシの画角が28mmなわけだが、28mmを使いこなせるか否かは、視覚を脳内で抽象化することができるか否かにかかっているのではないかという「仮説」に行き着いた。
最近気づいたのは、自分はモノに捕らわれ過ぎていて、写真の奥行だとか、自由さが損なわれているのではないかと。
モノに捕らわれているが故に、広角域のレンズでは対象が見えてこない。具象化していくには広角では広すぎる。
抽象化のプロセスを持たなければ、広角を生かしきれないのかなと。もちろんそれが全てとは思わないけれど。
28mmを使わないその他の理由としては、ボケないっていうのも大きい。
ぼかしは抽象化とは逆に焦点を絞っていくという効果があるから、ボケに頼っている戦法では、おそらく28mmにはたどり着けない。
今日の自分の思うところをまとめると
・28mmレンズには今のところ興味がない
・抽象化の概念がなければ広角を使いこなすのは難しい(かも)
最初は写真の基本で、どこまでを切りとるかどこを入れないか。を気にしていたんですが、ここまで広角になると、どこまで押し込めるかというか、押し込んでも大丈夫かの観点というか、
もう完全に世界が違うような気がしています。
なんだかまとまらないですが(^^;