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おさんぽ写真展 (自己レビュー)

例によってグループ展の自己レビューをしてみます。

今回も3点を出展。
おさんぽ写真、すなわちスナップ写真なわけですが、写真をやり始めた人とか、アマチュア写真家が撮る写真の大部分がスナップではないかと思われます。

お題を見たときに思ったことは、おさんぽだけをキーワードにすると、ジャンルも題材もまちまちで、横並びにした時のまとまりがどうなるのかなあということ。
まあ、そんなことは心配する筋合いではないのだけれど、コンテストも兼ねるとなると、善し悪しが評価されるわけで、評価軸もまとまらないんじゃないかな、などとなお余計なことを考えてしまう。

前置きはさておき、今回の出展作の自分なりの選考ポイントは、ふと足を止めてじっくりと観察することによって見えてくる日常の中でキラリと光る光景。
ここでアップしたものが多いので再掲になりますが、出展作ということで、作画の背景など。

メッセージを送っていただいた皆様ありがとうございました。
これからの励みになります。



おさんぽ写真展 (自己レビュー)_b0226573_065883.jpg

[D700 Planar50ZF f5.6 Auto ISO100 2011, Sep]

「おさんぽ写真展」出展作品1「心ゆくまで」



場所は須磨海岸。時刻は夕方の6時で、陽はすでに沈んでおり薄暗い時間帯でした。そんな中、ひたすらダンスの練習に励むカップルがいたので、写真に収めました。
もっと感度を上げればよかったのですが、フィルムでももっぱらISO100を使っているので、つい感度を上げることを忘れ、50mmでも手持ちでいける範囲で撮ってしまいました。
大きく見るとわかるとおり、被写体ブレに手ブレも起こしています。

こういうシーンは通りがかりの幸運によって撮れる、むしろ撮らされてしまった写真ですが、背景の雲に投影された残照の微妙なグラデーションが綺麗に表現できたので、出展作に選びました。
色を変えたのかと誰かに聞かれましたが、AWBでレタッチなしです。



おさんぽ写真展 (自己レビュー)_b0226573_0323946.jpg

[D90 AF-S18-200 f5.6 Auto ISO200 +1EV 2011, Oct]
「おさんぽ写真展」出展作品2「約束のとき」



かなり異質な写真です。
ショウウィンドウのポスターとガラス面に写り込んだ街路樹のコラージュ。
まさに撮影散歩途中で撮ったものですが、こういう写り込み写真を撮るときに注意しなければならないのは、ピント位置と被写界深度。
背景の雲の濃淡を描き込みたかったので、主題であるポスターにピントを合わせず、あえて写り込みの街路樹にピントを合わせてしまいました。
結果としてガラス厚のために輪郭が二重線になっていて、ポスターのピントの甘さとあいまって、表現がぶれてしまったようです。

講評では写り込んだ証明をレタッチで消してもいいのでは?というコメントをもらいましたが、樹から飛び立つ鳥のようにも見えたのでそのまま残しています。
ここに何も無いと締りのない空間が生まれそうな気がしたし。



おさんぽ写真展 (自己レビュー)_b0226573_04836100.jpg

[D90 AF-S18-200 f8 Auto -0.5EV 2011, Nov]
「おさんぽ写真展」出展作品3「flash of light」



ビルの隙間に射し込む強い日差しにタクシーが入った瞬間を撮ったものです。
シンガポールの陽射しは強く、日向と日陰の明暗差が激しいので、ハイライトに露出を合わせるとシャドウはほとんど潰れがちですが、これはハイライトをメインとしたので、シャドウは無視しました。

こう見えて、同じカットは20枚ほど撮りました。
つまり通過する車の種類、色などを撮り比べてみて、一番映える色形の車が写ったものを選考しました。
とてもクールで自分らしさが出ていて好きな写真です。

今回の3作品はいずれも作風・題材が異なるものですが、ましかくとは違って、シャープでクールな写真を選考しました。
写真自体が持つ写真的言語は少ない、いわゆるドライな写真ばかりになったので、訴求力には欠けたかと思います。
撮らされたようなものもあるけれど、人が撮れないもの(と思う)を出展したかったのです。
本展ではあいにく賞にはあたりませんでしたが、いただいたメッセージで意図が伝わったことを確認できましたので、よかったかなあと思います。



オーディエンス1,2,3位とメリケンギャラリー賞の計4作品のうち、僕がいいと思って投票した作品が1つ含まれていました。
正直に書くと、一つしかなかったというのが、偽らざる感想です。
自作品のことや今後のことも含め、ちょっと考えさせられました。
by f-izuki | 2011-12-16 23:30 | Comments(0)

反復と破壊と小さな創造 神戸発写真系ブログ


by 石谷 山山
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