写真教室 ネクストクラス 8月
2012年 08月 26日
今回は月に一度のネクストクラスレビューです。1ヶ月が経つのは早いです。
予告どおり、今月も土曜日から日曜日クラスへの振り替えとなりました。土曜日クラスの雰囲気が記憶から薄れていきます(^^;)
日曜日クラスの会期の更新が今月だったので、何人かの方が卒業され、また新たに参加された方もおられました。土曜日の振替組が僕を含めて2名、合計11名と今回は少人数でのクラスとなりました。
今月のテーマは海の風景、お盆、帰省、水、氷、青などなど。
さて、今月はご本人了解済みということで、Hさんから話題提供していただきます。
Hさんはポートレイト(以下P写真という)の名手です。しかもドラマ仕立てのシーン撮影がご専門です(^^)。
ポートレイトというかモデル撮影については、かなり以前(ネクストクラス3月)にもご紹介しましたが、最もハードルが高くなる分野のひとつです。
女性をモデルにした写真について、女性方から多くの指摘がありました。総括すると自分が撮られるとしたら、まずこういうところが気になるということでした。(後日注記:撮影者が意識していなかったことや気づかなかったことが、意図したこととは違う情報として伝わってしまう可能性があるというご意見。)
ハードルがあがるというのは、P写真は減点方式で見られてしまうからじゃないかと思います。本来勝負したいはずの、自分にしか撮れないモデルのしぐさとか表情がうまく捕らえられたとしても、浴衣が少し緩んでいたり、首のしわが目立っていたり、指先が満足いかなかったりすれば、完成度が甘くなってしまう。
僕も同じような経験がありますが、撮った方は90点くらいの写真だと思っても、撮られる側(写真をもらった人)は50点くらいだと感じていたりします(人によってはそれ以下かも)。
加えてキャッチライトの入り方だったり、ライティングだったり、ヘアメイクや服装のコーディネイトなど、テクニック的な要素でも写真の出来栄えを評価されてしまう。
Hさんはネクスト初参加だったので、ほかにもたくさん写真を持ってきてくれました。P写真の他にもとても魅力的な写真があったのですが、P写真の陰に隠れてスルーされてしまいましたね。
それだけP写真は人目を引きやすく、かつ突っ込みどころもたくさんあるということでしょうか。
僕はP写真も好きです。気になる女性を見かけるとつい撮りたいと思うものです。女性に限らず、男性モデルを撮ることもあります。純粋に写真のクオリティを極めることが目的だとしたら、性別は関係ないから、一度男性をモデルにして撮影してみてはいかがでしょうか。良さも悪さも客観的に見えてくるかもしれないです。
※イメージと本文は全く関係ありません。
P写真をみて「女子写真」に対する「男子写真」ってなんだろうという話題の提起がありました。
女子写真の歴史も決して浅くなく、そのあたりはいい教科書がたくさんあるので勉強されるといいかと思います。本来そう割り切るべきものではないと思いますが、あえて二項対立的な見方をするとすれば、女子写真的なイメージはいくつかあります。
そんな女子写真の心理を教えてもらったのがKさんのスイーツ写真でした。マンゴーが大好きで心が高ぶっていく、その気持ちの勢いのまま撮ったということでした。確かにバン!と対象に寄るストレートさはお見事でした。
なぞが解けた(と感じている)のは、僕ならバン!と素直に寄れずに、つい背景を意識的に入れてみたり、時間や誰と一緒なのか、あるいは一人なのか、どんなシチュエーションなのかみたいなことを考えてしまう。これを男子写真というとおこがましいけれど、女子写真では視点はそこにはない、みたい。
雑念が写真をゆがめていくのでしょうか。
台湾の夜景を月光のパールラベルで表現された1枚も決まってました。用紙で表現できることのバリエーションの広がりと、それに撮影テクニックや現像テクニックが伴っていくさまはすごいです。学ぶって継続ですね。
今回の個人的鳥肌物はAさんの帰省3枚組。
やさぐれ感などと以前は失礼な書き方をしましたが、こんな写真が撮れるんだ!!という、いや前から知っていましたが、内面のような部分を見せてくれる写真でした。そこまで素直に見せられると怖いです。
冒頭でも触れましたが今日は新会期の始まりで、新しく入った方のほかに卒業された方も多かったです。
卒業される理由はいろいろでしょうが、気になるのは、初回に出席した後、欠席が続く方が何人かおられることです。ビギナークラスでもみられましたが、無理して続ける必要はないのですが、せっかく授業料を払い込んだのなら会期が終わるまでは座っているだけでもいいから、続けられたらいいのにと思います。
ネクストは座ってるだけではだめなところもあるんですが。
もしも写真という共通言語があるとすれば、それを学ぶ場所としては、ネクストスタイルがやはり分かり易いと思います。自分で考えて撮った写真を、セレクトして、さらに考えてプリントして。その考え方、写真言語が共通言語なのか、あるいはずれているのか。プロセスとして自分に必要でなくても楽しいじゃないですか。
ネクストでなくとも続けられるし、一人で創作活動もありでしょうし、スタイルは十人十色ですが、発見や体験が写真を続ける原動力の一つになるのは間違いないと思いますし、その発見の最も中心的なところに写真的言語があるとすれば、多くの人と交わるのは楽しいことだと、ようやく思えるようになってきました。
※イメージと本文は関係ありません。
なぜこのことを書いているかというと、初めての参加で参加者からもらったコメントに落ち込んで、そのまま来なくなってしまう人が何人かいらっしゃるとのことでした。
写真は自由だから(公序良俗に反するものは論外だけど)他人にコメントされるのは嫌だと感じる人もいるかもしれない。僕もそうだけれど、そもそもコミュニケーションが苦手、だから写真撮ってるんだよという人も。でも写真という共通言語を使うのであれば、独自言語なのか共通言語なのかを確かめないまま共通言語だと思い込むのは怖いと思う。表現が新しくても古くても、ドキュメントであってもアートであっても、評価軸が移ろいやすいものだとしても。
好きな写真、嫌いな写真を感覚的に判断してもいいと思います。その感覚自体が写真言語だとしたら、その共通言語をもうちょっと知りたいと思うのです。人と感じ方が異なるのは言語が違うのではなくて、感性が感応している部分が違うだけで。うまく書けないけど。
K先生が言われるように学ぶための素材が提供される場であると思うと、チャレンジングなことができるんじゃないかなと思います。キメ写真は別にいらないわけで。
もしももしもこの拙文が悪い印象を与えてしまっているとすると、それは誤解です(^^;)
僕はヘタレ写真が多いです。K先生にはこんな写真もってくるなと、何度言われたことか(◎◎;)。いやいや、怖いところじゃないんです。ヘタレな僕でも楽しめるし、頬の筋肉がつるほど毎回笑い転げるんです。面白すぎてここでは書けないのです(^^;;)
ネクストクラスがさらに盛り上がることを願いつつ、最近ヘタレ写真ばかりのワタクシが書くのも僭越ですが、N展に向けた気合を込めて。