Nikon D100



たまたまネットで気になる記述を見かけたので書き込んでおこうと思い立った。
わざわざ前置きするようなことではないのだけれど。


このカメラが発売になったのは2002年6月で、発売時の定価は30万円だった。
当時はこの定価が示すとおり、まだデジタル一眼レフが高価な時代で、これでもようやくアマチュアが手にできるデジタル一眼レフが発売になったと話題になったカメラだった。


この頃はまだデジタルの画質はフィルム(35mm)に及ばないと言われていた時代で、その理由は画素数の比較によるところが大きかったように思う。
すでにコンデジは普及期に入っていたから、次のターゲットは35mmフィルムとの画質の比較だったのだろう。
フィルム擁護派にはそんな危機意識が色濃く見えていた。
当機はまだ600万画素が主流という時代。


僕の当時の使い方というと、大容量メディアがまだ高価だったので、少ない容量で数を撮るため、JPEG撮って出しが多く、RAWはほとんど使わなかった。
ある時、塾のこどもたちを引率しての集合写真を大きくプリントするため、街のDPEプリントに出したら、店主に解像度が低いと指摘を受けた。
確かにピントは合っているのに、どこにピントが合っているのか判然としない写真で、恥ずかしながら大きくプリントするまで気がつかなかった。


現像はPhotoshopで多少の補正はかけていたが、JPEG保存を繰り返すことによる劣化は最小限に抑えていたので、ファイルの取り扱いに原因があるとも思えなかった。
そこで、ためしにRAWデータから現像してみると、全く解像感が違うことがわかった。
明らかに別物だった。


この時代、カメラ内蔵のJPEG変換エンジンの性能が今より良くなかったのかもしれない。
そのことに気付いてからはRAW撮影&現像がセオリーになった。
このプロセスだと、A4サイズのプリントに不満を感じることはないと思う。A3もものによっては耐えられるだろう。


このD100というカメラはスペックから見ればコンデジにも見劣りするが、描写性能の評判は結構高かったように思う。
新機種が出ても使い続けているプロもいたという。
オリジナル画像は色調が抑え目で、今とはかなり味付けが異なっているが、当時はそこがむしろ通好みとされた。忠実色と表現されたものだ。
さすがに今見ると、時代を感じるほどに地味だけれど…


そう、だから冒頭の話、このカメラの描写性能をJPEGだけで見れば誤った判断をしてしまう。
という、今となっては全く役に立たない情報なのだけれど、このカメラの評価を不当に下げる記述を見かけたので、少し訂正してみたくなり書き込んでみた。



 
b0226573_1281761.jpg
[Nikon D100 Nikkor135mm f2.8 2009 Jun]




トリビアネタ一つ。
この時代のニコンのデジイチのミラーは35mmフルサイズ版と同じ大きさのものを使っている。
だからシャッターの感触がフィルム一眼に近く、今のおもちゃのようなデジイチの感覚とは一味違う。


 
 
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by f-izuki | 2013-08-19 01:39 | Comments(7)
Commented by Penepson at 2014-04-21 09:37
去年の記事に失礼します。
今更ながらD100の購入を目論んでいます。
勿論、10年以上前の機種ですから、価格的に底を打っている為、リスクは無いに等しいのですけれど、参考の為調べておりました。

やはり私の基準では要求を満たしてくれそうです。
ありがとうございました。
Commented by f-izuki at 2014-04-21 20:56
Penepson様
コメントありがとうございます。
ぜひ一度ご賞味ください。

ただし画素数や解像感など絶対的な性能やボディの大きさを考えると・・・・
このカメラじゃないと、というメンタル面がちょっと弱いかも知れませんね。

Commented by Penepson at 2014-04-21 22:52
銀塩時代の35mmフィルムを引き伸ばしてみれば、案外こんな感じですし、当時はそれで満足していた訳で・・・

って、legacy_bg5aさん、こんな所にも(笑)
Commented by noBu at 2015-03-02 19:20 x
ずいぶん昔の記事にコメントしてすみません。
僕のデジタル移行機がD100でした。
10年以上前の駆け出しカメラマンだった頃になけなしの金はたいて新品で買いました。
当時メインで使っていたF4やF90Xと比べるとずいぶん安っぽく頼りなかったと記憶しています。
僕がD100を買った切っ掛けは、雑誌の仕事で一緒になった友人のカメラマンがD100を使っており、名古屋港の夜景をD100で撮影したその画質や便利さに、今までデジタルはまだまだだと思っていた目から鱗が落ちたからです。また、肉眼では何も見えないような夜の海を感度Hi-1にしてノイズでザラザラだけど何となく海の様子が手持ちで撮影できたのにも、デジタルの未来を強く感じました。
スタジオ内では僕だけがニコン使いで、他のカメラマンたちは会社のキヤノンでした。先輩たちからは「デジタルなんかダメだ」「フィルムに比べて色が足りない気がする」なんて言われたのも懐かしいです。
これからデジタルがどんどん成長していくのにそこに目を向けないスタジオに嫌気がさして辞めました。
さて、その後順調にカメラを買い足し買い換え、今ではDfとD7100を使い分けていますが、実はD100は今でもずっと使い続けています。
いつでも適当な単焦点レンズを付けて車内に常時携行しています。
バッテリーの保ちが驚異的に良いので、仕事カメラがトラブルになったとき、遊びで出かけたときに急遽撮影依頼の電話があったとき、そんな時の非常用として、もちろん趣味で撮影する時にも、けっこう活躍しています。
実は今使っているD100は2台目で、最初のD100は昨年の夏に車内でジッツォの三脚と喧嘩して液晶が割れてしまい、メインダイヤルの動きがときどき怪しいジャンクで500円のD100を購入し部品を移植して使っています。
最近のカメラは確かに高性能で素晴らしいですが、D100のようなデジタル黎明期のカメラもなかなかイイ味してます。
ノイズだって見方によってはネガフィルムの粒子に見えなくも無いし、そもそも135ネガフィルムの画質もこのくらいだったように記憶しています。
長々とコメントしてしまいましたが、今でもD100に何らかの想いを寄せられている方がいらっしゃると思うと嬉しくて書き込んでしまいました。
Commented by f-izuki at 2015-03-02 20:33
noBu様
プロの方にコメントいただくなんて恐縮です。ありがとうございます。
確かに今を基準にすれば、性能では比べるべくもないのですが、数あるデジカメの中でも、歴史に一歩を残した機種じゃないかと(評論家でもないのに)思っています。
私のD100は時々撫でてあげるくらいで、外に持ち出すことはなくなってしまいましたが、未だ現役しかもプロ機として活躍している機体があるというお話を聞けてうれしく思いました。ジッツォに勝てる液晶モニタは無かろうと思いましたが(笑)
Commented by f-izuki at 2015-03-02 20:48
改めて今アップしている写真を見ると、RAW現像が甘いですね。彩度が若干飽和気味で、受光素子の情報量も今とは比べものにならないのでしょう。
RAW現像に関しては、私の処理能力の下手さにも原因があります。オリジナルの彩度が抑え気味なので、当時使い始めたSilkypixで彩度を持ち上げて処理していたのです。写真はプリントしてこそ写真だなと最近では思っていますが、モニタで見る写真とプリントは別の処理をしないといけないのでしょうね。そのあたりで使い手によっても評価が違ってくるのかもしれません。
Commented by noBu at 2015-03-02 23:30 x
早々にコメントありがとうございます。
長々とすみませんでした。
D100の次にD70が出て、カラーモードにダイレクトプリントモードなるものが設定されて、その頃は綺麗に感じて良く使っていました。
しかし今見ると何とも単純に彩度とコントラストを上げただけのような画作りで時代を感じます。
今はD100はほぼ遊び用で昔のMFニッコールを付けています。
基本的には薄型のAis50mm1.8。ときどき24mmや135mmのオートニッコールを無理やり付けて遊んでいます。
僕はjpegで撮影しPhotoshopでエディットすることが多いですね。
貴殿のRaw現像、素敵だし結構イイ線だと思います。
謙遜なさらず写真を楽しみましょう。
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