デミが好きな理由はいろいろあるが、一番大きな理由は、初めてフィルムを入れて写真を撮ったカメラが、母親が所持していたデミだったということで、とても馴染みがあるからだと思う。
デミにはいくつかのシリーズがあり、母のカメラはセレンメーター追針式の初代モデルで、露出はプログラム式(?)だった。
シャッタースピードと絞りの関係はその後に手にしたカメラで学んだが、このデミではピントを合わせないと写真にならないということを学んだ。
もっとも、ピントは目測式で絞りもコントロールできないわけで、おのずとパンフォーカス的な写真がこのカメラが求められている使い方だったのではないだろうか。
その点、EE17は、マニュアルでシャッタースピードと絞りを選択できるわけで、極めて自由度が高い。
とってもそそられるカメラなのである。
さて、先日、D個体をネットオークションで入手した。
シャッターは切れるがカビありのジャンク品だ。500円が妥当なところだと思う。
自分としては、シャッターは切れないがカビなしのジャンク品を求めていたのだが、もしメーターが生きていればなあという、かすかな望みをかけて手にしたのだったが・・・
届いた現物は、シャッターレバーに引っ掛かりがあるが、概ね全速良好に動作している。
シャッターに油染みなし。絞りもスムーズ。
ただし、メーターはやはり不働だ。
電池は今は入手不能の水銀電池が入ったままだった。当然電池切れだが、幸い液漏れはしていない。
電池をLR44に換えて入れてみたが不働。
EE17は、CdSの攻略が大きな壁になりそうだ。
当機はカビありということで、見てみると、レンズそのものより、ファインダーがダメになっている。他の個体に比べて明らかにファインダーが曇っている。ファインダーの曇りは致命的だ。シャッターを押す感覚そのものをダメにしてしまう。
とりあえず、光学系の掃除だけやっておくことにした。ファインダーは直径数ミリのレンズが接着剤で固定されて組まれている逆ガリレオ式とか呼ばれる方式。ブライトフレームが組み込まれている。肉眼で見てもよくわからないので、マクロレンズで撮って拡大してみると、やはり曇りの原因はカビのようだった。無水エタノールを湿らせた麺棒で磨いてみるが完全には取れないものの、まあまあのレベルにまでなったので、今回はここまでにしておく。
デミ分解時の欠点は、貼り皮をいちいちはがさないといけないこと。
オリジナルは製造から50年以上経っているため、きれいにはがせずぼろぼろになってしまう。
なので、ばらした後は、貼り皮も新しいものに取り替える必要がある。
いろいろな素材を選ぶのも楽しいが、いずれまた分解するので、ここは手元にあったカッティングシートを応急的に貼っておく。
なかなか、クールな感じがいいじゃないですか。