未現像フィルムは残り3本。
いよいよ佳境に入ってきました。果たしてタイムカプセルはありやなしや。
8本目 コニカ SUPER DD 200 PROFESSIONAL 12EX
撮影:1994年 カメラ:Canon AE-1Program
(撮影:購入直後 現像:撮影後26年経過)
コニカ SUPER DDプロの登場です。しかも12枚撮りだ。
文献によると、このフィルムの発売は1990年のようだ。ほぼ30年が経過している。
12枚撮りとは何と少ないコマ数。
当然現像コストを考えると1コマ当たりの費用が超割高になるフィルムだが、それなりに使うことがあった。
写真が数枚しか必要ではなく、かつ、即現像する必要に迫られた時だ。
学生時代、研究論文作成や、学会のプレゼン資料の作成など、実験データを記録に残すとき、手段としてフィルムカメラしかなかったのだが、マクロ機能が使える一眼レフは重宝した。
そのような時、12枚撮りはちょうどよかった。
このフィルムも長い間、実家の自室に放置されていたもので、何を撮ったのか全く記憶にはないが、たぶんその関係ではないかと。
さて、現像の結果は。。。
例によって濃い昆布色をしている。しかし、うっすら像が見える。
人が写っている!スキーをしているようだ。
〔カット1〕
大学では生化学の研修室に所属していた。
これは特殊な化学物質を混ぜ込んだ寒天培地(シャーレ)に、遺伝子組み換え菌を培養した時の様子を記録したもの。
詳細はわからないが、オレンジ色に着色している培地が、コロニーの周辺だけ変色しているのがわかる。遺伝子組み換え菌が分泌する酵素によって、着色物質が分解されたことを示している。
シャーレはライトテーブルの上に乗せているが、DPE店でプリントを頼むと、背景がグレーになってしまう。
いつも現像を依頼していた大学近くのラボの店長さんに、背景を白くプリントできないか相談したところ、快く応じてくれた。
色調整を何度もトライしていただき、最終的に忠実な色をプリントで再現してくれた。
[Canon AE-1Program, NFD35-105mm, Konica Super DD 200 Pro, 1994]
〔カット2〕これは研究室の後輩君が、釣ってきたメバルを自慢げに披露しているところ。
26年ぶりのタイムカプセルになった。
色情報はほとんど残ってないしコントラストもないけれど、案外しっかり画像として残っている。
すごいぞコニカ!(セピアは完全にダメだったが)
Photoshopでうまく処理すれば、退色を復元できるかもしれない。
[Canon AE-1Program, NFD35-105mm, Konica Super DD 200 Pro, 1994]
〔カット3,4〕
研究室のメンバーと行った日帰りスキーの風景。
大学から車で2時間で行ける距離にスキー場があったため、学生時代はよく通った。
平日もナイタースキーをやっていたので、多いときはシーズンに30日滑ったこともある。
集合写真の顔ぶれを見て、これが1994年の冬に撮られた写真であることが判明した。
懐かしいなあ。ついこの前のような気もする。
[Canon AE-1Program, NFD35-105mm, Konica Super DD 200 Pro, 1994]
[Canon AE-1Program, NFD35-105mm, Konica Super DD 200 Pro, 1994]
9本目 富士フイルム SUPERIA PREMIUM 400 27EX
撮影:2009年 カメラ:KYOCERA SlimT
(撮影:購入直後 現像:撮影後10年以上経過)
続いては、現行でも販売されているスペリアプレミアム。
調べてみると、2009年3月に発売されているので、カラーネガフィルムとしては結構長寿品である。
すでに新商品の開発も終了しているのかな。
現像してみると、オレンジ色ではなく、やはり昆布色に近い仕上がりとなった。
写真をよく見ると、義母が写したもののようだ。
京セラ Slim Tというカメラを貸してあげたことがあり、このカメラ、すごくきれいに写ると褒められたので、しばらく貸したままにしていたのだ。
先日、カメラを手にしたら、中にフィルムが装填されたままであることがわかり、今回の現像処理にいたった。
写し込みの日付が2009年12月になっているので、11年後に現像したことになる。
確認できた画像はそれなりに劣化していることが分かった。(例示なし)
10本目 富士フイルム SUPERIA PREMIUM 400 36EX
撮影:2013年頃 カメラ:KYOCERA T ZOOM
(撮影:購入直後 現像:撮影後7年経過)
最後のフィルムもスペリア。
2013年にスペリア36枚撮りを数本使っているので、おそらくこの時に一緒に購入したフィルム。
撮影は京セラ T Zoom。こちらも2013年に中古で3,200円で購入したと記録があるので、この時に初めて通したフィルムだと思われる。
現像してみると、やはり、昆布色に近い。
昆布色ばかり見せられると、カラーネガのあのアンバーが高貴な輝きに感じてくる。
カラーネガフィルムは、製造後、5年あたりから急激に劣化が進んでいくような感じだ。
〔カット5〕
ホワイトバランスを合わせるように色補正をしている。
コントラストが下がっているのと、やはり粒状性が悪くなっている。
[KYOCERA T ZOOM, Fujifilm SUPERIA PREMIUM 400, 2013]
〔カット6〕
写り方は同様だ。
イメージは、プリントで入稿されたクオリティが高くない雑誌に印刷された写真のようだ。
解像感がない。
新たに入手したカメラのはずだが、あまり興味がなかったのか。
撮影済みのフィルムが数本溜るまでおいていたのか。
[KYOCERA T ZOOM, Fujifilm SUPERIA PREMIUM 400, 2013]
以上、合計10本のカラーネガフィルムを現像してみた。
撮影後数年以上が経過した古いフィルムが中心だったので、鑑賞に耐えない写真ばかりになってしまい恐縮だ。
今回、現像試薬を買いそろえたが、こちらはフィルムよりも有効期限は短い。
現像液を無駄にしないためにも、たくさん写真を撮らなければ。
★★★まとめ★★★
・カラーネガフィルムは、有効期限切れ3年程度なら、使えなくはない。
・撮影後はできるだけ早く現像処理しよう。
・撮影後はフィルムの保管状態にもよるが、25年経過しても識別可能な画像が残っている可能性がある。
ただし、色情報は乏しく、粒状感はザラザラ。色ムラも激しい。
・撮影済みフィルムをタイムカプセルにするのは危険。