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巻き戻しクランク(だけ)移植の巻





以前、愛用するCONTAX S2の巻き戻しクランクの頭の部分が折れてしまった話を書いた。
そして、その場しのぎの代用としてヤシカTLのパーツを流用し、一応の機能回復を図ったのであった。


 

 
 
 
 
あの時は、同じメーカーであれば軸径や切り欠き位置などが同じであろうところまでは推測し、確かめたのであったが、気が動転していたのか、部品調達先をヤシカFX-3のジャンクにターゲットを絞ったのだった。
CONTAX S2はヤシカFX-3と中身の機械は同じであるというネット情報を目にしたからだ。



その真偽を確かめたわけではないが、あの日以来、ネットや中古ショップを覗いては、ジャンクのFX-3が転がっていないか探す日々が続いていた。
ところが、これもネット情報であるが、FX-3はコシナのOEMであるという書き込みを見つけてしまった。
であれば、FX-3のクランク軸はコシナの規格でできており、CONTAXには合わないのではないかという疑念を抱くに至った。
これについても真偽を確かめる術はないが、その情報はデマであるというカメラ評論家の記事も目にしたものの、FX-3を追い続けることに一抹の不安を感じるようになってしまった。



加えて、FX-3のジャンクが見つからない。



それもそうだろう。
FX-3といえば、ヤシカ(京セラ)一眼レフの中でも最晩年に位置する製品であり、しかもシャッターはS2と同じくメカニカル機である。
ようは壊れにくいのだ。



そうこう思案しているうち、ふと気が付いた。



CONTAXのジャンクを探せばいいんじゃね?



むしろ、電子化が進んでしまったCONTAX一眼レフのほうが、ジャンクが多いのではないか。
そしてヤフオクで、今まで全くみてこなかったCONTAXのジャンクを探すと、出るわ出るわ153.png
形をよく見ると、最初期に発売された139 Quartz辺りのほうがS2の形に近い。
ボディ寸法や、筐体としての寸法やボタンの位置はほとんどそっくりである。



CONTAX 139(1979年発売)
CONTAX S2(1992年発売)



発売年は十数年離れているというのに、なんということでしょう。
灯台下暗しとはこのことか。





巻き戻しクランク(だけ)移植の巻_b0226573_23371428.jpg
[CONTAX S2(左) CONTAX 139Quartz(右) CONTAX 167MT(奥)]




 
CONTAXで巻き戻しクランクを持つ機種はいくつかあるが、ボディがコンパクトな機種としては、139のほか、159などがあり、最も手ごろな値段で入手できるのは、おそらく139であろう。



欲しいものはクランク軸のみであり、ガラクタであるほうが部品取り用と割り切れる。
ということで、ヤフオクで1,000円弱で購入したジャンク品は、貼り革が無かったものの、電池を入れてみると、シャッターが切れるではないか。
ファインダー内の露出表示もシャッターダイヤルに応じて変動している。
クランク軸のみ移植できれば今回の目的は果たせるのだが、それで捨ててしまうのは写真好き・カメラ好きとして悲しすぎる。
もったいない。



クランク軸も期待どおり、全く同じ寸法で、S2に移植してみると完璧な姿に戻った。
一方、今回調達した139には、ヤシカTLの巻き戻しノブを移植し、滑稽な姿になってしまった。
ちょっとかわいそうだから、貼り革だけでも新しくしてあげよう。
少しおしゃれに茶系の本革にしてみようか。
ヘタリきっているモルトも貼りなおしてあげよう。
S2はスポット測光だから決して使いやすいというわけではない。だから、時々S2の代わりに持ち出してフィルムも通してあげよう。



(そういえば167MTはほとんど使ってない。ワインダー内臓機にはフィルム巻き上げレバーがないからね)



139を触ってみて初めて知ったのだが、シャッター半押し機能がない電磁レリーズってどうよ(??)。
これは慣れるまで、ミスショット連発すること間違いなし。
AEロックはどうやるんだろ。



このカメラ、AE黎明期の機種だったのかな。
 

 
(追記 7.16)
 
今回、S2と139を手にして、改めてS2の系譜のようなものを考えてみた。
CONTAX通ならば、S2が139に端を発する系譜の中に位置することが、初めからわかっていたことかもしれない。
ひどく遠回りをしたものだ。
同じ系譜にあれば、同じパーツを使っていても不思議ではない。



139の後発で137MD、137MAという姉妹機があるが、これはワインダーを内蔵したという点で、筐体的に139とはサイズが異なる。
従って、同じく巻き戻しクランクを持つとはいえ、クランク軸の長さが139、S2とは異なると思われるので、今回のパーツ調達対象とはしなかった。
CONTAXは、レンジファインダー機のG1から付き合いが始まり、馴染みがあるつもりだったが、一眼レフはS2を手にするまで使ったことがなかった。
すでにブランドが消滅してしまって久しいというのに、今さらながらCONTAX(京セラ)の系譜を追いかける羽目になるとは。



別に今さら機体を増やすつもりはないのだけれど、縁あって139が書斎のディスプレイの仲間入りを果たした。
こうやって、1台また1台と、資産的価値のないコレクションが増えていくんだな。

 
 
 


 
  







by f-izuki | 2020-07-15 01:05 | Comments(0)

反復と破壊と小さな創造 神戸発写真系ブログ


by 石谷 山山
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