人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ならう時間





突如、9月から習字を始めて2カ月以上が経過した。
この間、毎日(本当に毎日)、筆をもって半紙に向かっている。
某習字教室の通信講座を申し込んで、既に2カ月目の手本が届いた。
段級の認定を励みに、毎日1~2時間、何かにとり憑かれたかのように書いている。
とはいえ、先週、初回の作品を提出したばかりで、まだ何の手ごたえもないのだが。



最初は、基本に立ち返って楷書から。
筆を持つと、色々うまくできないことが分かってくる(というか、思い出してきた)。
小中学生の頃はあまり気が付かなかったことも、真剣になってやっていくと気になることも増えてきた。
例えば、墨液の粘り気。
最初は固形墨をせっせと磨っていたのだが、息子の安い習字セットの硯が摩耗してきたのか、墨のおり方が悪くなってきて、磨るだけに何十分も掛かるようになってきた。
なので、今ではお手軽な墨液を使っている。
調べてみると、墨液にも実にいろいろな種類があって(当たり前か)、墨の成分も、松脂の煤からカーボンブラックまで、膠も天然から合成品まで様々。
色味も純黒から、赤系や紫系や青系まで。
ここは習字なので墨液にこだわる理由はないのだが、粘りだけはどうも気になる。



穂先の種類は言うまでもなく、ここは腕相応ということで、固めの兼毫筆から練習を始めている。
今のところ、習字教室が推奨する、入門的なものを使っている。
小中学生の頃に、同じような感覚で道具の性質を考え、手本をよく見て書いていたら、もっとうまく書けていただろう。
好きで続けていたので、悪い記憶はないのだが。



毎日書いて飽きない理由を考えてみた。
もっとも大きな理由は、100点の字が書けないから。
自分なりで、80点くらいあれば合格と言いたいところだが、あと5点足りないというレベルだと、来る日も来る日も書かずにはおれなくなる。休日は、朝書いて夜も書いたりする。
書いている間は、頭を使わないし、何も考えていないので、頭も体もラク。
正確にいえば、手本をまねているだけだから、考えに考え抜いて何かを捻り出すという行為でもないし、鍛錬のために筋肉を痛めつけることもない。
どう筆を運べば、手本と同じ字が書けるのか、やっていることは、ただ手本を倣っているだけ。
気脈を感じるのが好きなんだと思う。



12月は年に2回の画仙紙課題がある。
画仙紙用の太めの筆もまだ使いこなせていないけれど、手本と自分の字を見比べて、自分で赤ペンを入れながら楽しんでいる。




ならう時間_b0226573_13011404.jpg




こちらが初日の試し書き。大きさ、字形を修正していく。
あと10日程度、書く予定。
  




















by f-izuki | 2021-11-24 14:25 | Comments(0)

反復と破壊と小さな創造 神戸発写真系ブログ


by 石谷 山山
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31